第2章 顔面レシーブ
「ねぇ」
ちょうど横を通りかかった男の子を呼び止めた。
「え、はい?」
ヒョロッとしたソバカスの、頼りなさそうな男の子。
「私の席どこか知ってる?」
「えぇ、と…名前は?」
「柏木波瑠」
「んじゃあ…あそこだよ。
ツッキーの隣の席」
教えてくれるのは助かるけど、そもそもツッキーって誰?
「案内するよ、来て」
パッと手首を握られてしまった。
意外と行動に移すタイプなんだ。
「ここね」
「ありがとう。
ついでにその手も離してくれると助かるんだけど」
「え?あ!ごめんっ」
「別に」
はぁー…と机に突っ伏す。
「呑気だね」
隣から聞こえた男の子の声。
「煩い。
てか君誰?」
「あ、あぁー。
彼女は柏木波瑠さん。
で、こっちがツッキー…じゃなかった月島蛍。
俺は山口忠、よろしくね」
「それなりにね」
「僕は嫌だけど」
「うぅ…。
似た者同士だ…」