第58章 ゲスブロック
「この先……そんなヤツが出て来んのかよ…!」
木兎さんが珍しく下を向く。
落ち込んでいる…?
「私は相手の性格や攻撃パターンを理解するまでに時間がかかるので、対応出来て木兎さんくらいなのですが…上手い人は会って数秒で見抜きますよ」
「「「……」」」
皆、呆気にとられる。
「……すっげー!!
そんな凄ぇヤツが居んの!?
バレーしてみてェな!!赤葦!!」
「え?あ、そうですね、木兎さん」
落ち込んでなかったのか。
やっぱり、木兎さんは木兎さんだ。
「…あーあ、やんなっちゃうね、るぅったら…」
「及川先輩…?」
「ヤなこと思い出させてくれちゃって…。
過去に居たよ、そういういやーなブロックして来るヤツ」
過去っていうか毎年なんだけど。
「今年こそはそいつのマヌケな顔を拝んでやりたいから、練習付き合ってよ」
「はい」