第58章 ゲスブロック
シン…と静まり返った体育館。
何10人と居る皆の視線が、1箇所に注がれる。
「ふぅ……」
安心したように息を吐き出す少女と。
「嘘……だろ…なんで…?」
「読まれた…?」
その光景が信じられない、といったように立ち尽くす男が2人。
「まだあんまり上手くはないか…。
5本の約束でしたよね?
あと4本、どうします?」
「やる!」
「そう言うと思ってました」
「赤葦!トス!」
「は、はい」
呆気にとられ、冷静さを欠いた攻撃はやはりことごとくブロックされた。
「クソ……なんでだよ…」
「…ゲスブロック……だな」
「流石ですね、烏養さん」
「ゲスブロック…?
なんだ?それ」
「簡単に言ってしまえば、相手の行動を “ 予測 ” し跳ぶブロックのことです。
あくまでも予測なので100%ではありません。
私はまだ覚えたてで自分のものに出来てないんですけど、上手い人はもっと巧みにやりますよ」