第55章 ハプニング
「大丈夫そう?
大丈夫そうなら移動しようか」
「そうですね」
「赤葦、波瑠具合悪ィのか?」
「何ィ!?そうなのか、あかーし!?」
「煩いですよ、木兎さん。
身体に響くので静かにしてください」
「うぉ、すまねー」
「赤葦さん、僕は波瑠を部屋に運んで来ます」
「あぁ。
俺も着いて行くよ、心配だからね」
「…はい」
「少し不服そうだね。
嫉妬なんて可愛いね、月島」
クスリ、と微笑む。
「ちょ、赤葦さん!」
「なんてね、少しからかい過ぎたかな?」
「…別に」
波瑠が絡む時の赤葦さんはよく分からない。
「赤葦…俺も…行く」
「孤爪も?」
「心配だから…」
「俺も俺も!
俺も行くぞ!心配だ!」
「木兎さん、静かにしてください」
「あ、わりっ」
「俺も行くぞ。
お前の代わりに木兎のお守りをしてやる」
「それはありがとうございます、黒尾さん」