第55章 ハプニング
倉庫から1番近い、体育館へと向かう。
「おやぁ?」
「お??」
「え!?」
「つつつ、月島!?」
「今は茶化しとか、そういうのなしでお願いします。
月島、とりあえずここに波瑠さん寝かせて」
躊躇いなく床にジャージを敷く赤葦さん。
この人にはつくづく敵わないと思う。
「はい」
そっとジャージの上に波瑠を寝かせる。
「タオル、これ俺のだけど使ってないから使って良いよ」
「ありがとうございます」
「汗や水滴を拭える範囲で良いから拭ってあげて。
それが終わったら部屋へ運ぼう」
「はい」
赤葦さんは頼りになる。
頼りになるからこそ、怖いんだ。
波瑠が盗られてしまうんじゃないか、と。