第55章 ハプニング
「当然俺も行くよ〜」
「やめとけ。
お前は行っても邪魔にしかならねェ」
「酷いよ岩ちゃん!」
「あの、行くのは別に良いんで早くして貰えませんか?
これ以上波瑠をここに置いておきたくないので」
症状を悪化させたくない。
「そうだね。
行こうか、月島。
着いて来たい人は着いて来れば良いじゃないですか」
再び波瑠を背負い、体育館をあとにする。
部屋へと向かう僕と赤葦さんの後ろを、ゾロゾロと続く者達。
それぞれ一癖も二癖もあるような人達だ。
そんな人達が波瑠の心配をしている。
たったそれだけで、波瑠という存在がどれだけ大きいのか、どれだけの人に影響を与えているのかが分かる。
誇らしいような、悔しいような、なんとも言えない感覚。