第55章 ハプニング
「月島、居る?」
「赤葦さん…居ます」
「それで、こんなところでどうかしたの?」
「実は閉じ込められてしまって、出られないんです。
中から開けようとしてもビクともしなくて…。
それと波瑠が体調を崩してしまってて…」
「!
それは大変だね。
とりあえず外から開けてみるよ」
「お願いします」
しばらくガチャガチャと音が聞こえたと思ったら、ギイッという音がして真っ暗闇だった倉庫に光が差し込む。
「大丈夫?
月島、波瑠さん」
「はい、なんとか」
「多分なんだけどね、月島。
もう使われてないみたいなんだけど、鍵の誤作動で開かなくなったんじゃないかな」
「え?」
「ここの倉庫、外から鍵がかけられるようになってるんだけど、中からは開けられない。
今は使わなくなったから重要視はしてなかったけど、実はまだ機能を持っている。
今回はなんらかの偶然が重なって起きたことだと思うな」