第51章 アップルパイ
「研磨くん」
片づけを終え、体育館へと向かう前に研磨くんを呼び止めた。
幸い近くには誰も居ない。
「迷惑承知でお願いしたいんだけど…」
「何?」
「練習後の自主練に付き合って欲しいんだけど…」
「え…」
「月島のブロック練を手伝うことになってるんだけど、セッターが足りないの」
「…」
やっぱり無理かな。
「…良いよ…やっても」
「本当?」
「1つだけ…条件がある」
「条件?」
「アップルパイ…一緒に食べたい…」
「え?」
アップルパイ?
「好きなんだけど…クロがからかうから…あまり食べれない」
「良いよ」
「…楽しみにしてる」
「私も。
じゃあ時間出来たら声かけてね」
「うん…じゃあ」
研磨くんってアップルパイ好きなんだな。
この近くに売ってる店あったっけ?