第51章 アップルパイ
「あっ、波瑠おはよー。
今日は遅いんだね」
「おはよ、日向。
食べながら喋らないでね」
「波瑠ちゃん、ご飯…」
「あ、ありがとうございます」
時間も時間な為、少なめによそう。
「ここ、良い?」
ちょうど1つ空いている席があった。
「うん…良いよ」
「じゃあお邪魔します」
研磨くんの隣に腰を下ろす。
「うぉぉ…クール系美女の…柏木さんが…お、お、俺の隣にぃッッ…⁉︎」
「虎煩い…。
そういえば波瑠…今日遅かったね。
何かあったの?」
「今日の練習メニューについて抗議にね。
あんなのこなせる人なんて変人コンビくらいだよ。
私無理、やりたくない」
弱音は吐きたくないけど、これは例外だ。
「それで…どうなったの?」
「通常通り」
「助かった…」
「おぉぉぉ…女子の声が…女子の香りがあぁぁ」
「…」
研磨くんが眉根を寄せる。