第50章 安眠
「黒尾さんと木兎さん。
2人が凄いっていうのは認めてるけど、いつまでも子供扱いされてるのは腹立つ」
「練習のあとでブロック練付き合おうか?」
「え?」
「蛍は本能のままに打って来るスパイカーには慣れたけど、頭を使いながら打って来るスパイカーには慣れてない。
その証拠に日向のスパイクは止められても、黒尾さんのスパイクはなかなか止められないでしょ?」
「うん。
止めるどころかワンタッチもあまりさせて貰えない」
…珍しく素直だ。
上達までの貪欲な探究心、とまではいかないけど蛍の中で少しでも上達したいという思いがあるのだろう。
「やるのは良いけど、セッターはどうするのさ。
悪いけど影山は無理だから」
「あー…それもそうだね」
合わないもんね。
「研磨くんに当たってみようと思う。
京治くんは木兎さんにかかりきりだと思うし、菅原先輩も多分練習がある。
及川先輩は苦手なんでしょ?」
「まぁね」