第50章 安眠
「よく素直じゃない、って言われない?」
「余計なお世話。
それは君もでしょ?」
「確かに」
「波瑠は今日疲れた?」
「普通だよ」
「…そんな顔してないけど。
本当は?」
「…疲れた」
「どうして強がる訳?」
「強がってる訳じゃないんだけど。
普段から弱音吐いちゃいけなかったから」
「僕の前でくらい素直で居れば?」
「頑張る」
そう簡単に出来ることじゃない。
「蛍は練習どう?はかどってる?」
辛いのは誰が見ても明らかだ。
あのスタミナ自慢の2人ですら疲れているのが分かる。
それだけキツイメニューをこなしているのだ。
普通なら倒れるように眠ってしまうだろう。
それが出来ないということは、蛍は相当神経質なのかもしれない。
「まぁ、それなりに」
「そっか」
「練習してる中で、寝首を掻いてやりたいとは思う」
「誰の?」
思い当たる人が多く、絞れない。