第45章 好み
「じゃあ今日は大人しくしててください。
とりあえず湿布とテーピングしておきますね」
「あ、これ使ってください」
「ありがとう、芝山くん」
「いえ!
役に立てたのなら嬉しいです」
こんなキャラだっけ?
「ふぁ…」
処置を終え、一息つくと自然と欠伸が漏れた。
「…悪ぃな、疲れてるとこ」
「何静かになってるんですか。
そんなの黒尾さんらしくないですよ。
なんか気持ち悪い」
「そーゆー言い方はないだろ。
モテないぞ?」
「良いですよ。
人から好かれる気なんてありませんから。
嫌いたい人は嫌えば良い」
「素直じゃないねぇ」
「素直じゃなくて結構です。
リエーフくんは今日は何もしないこと。
何かして欲しいことがあったら言ってくれる?
出来る限りするから」
「マジで⁉︎」
「え?あ、うん、マジで…」
妙な食いつき。