第45章 好み
「んじゃ診て貰って良いか?」
襲い来る眠気を追い払い、真剣顔つきをする。
「とりあえず触ったり、動かしてみたりするからもし痛かったら遠慮せず言って」
「はーい」
「右?左?」
「んー、右」
…腫れはなし。
あったとしても目視じゃ判別出来ない程度。
「痛い?」
「全然」
足首から下を軽く指で押していく。
指圧では痛みを感じないらしい。
「じゃあ最後に動かすね」
捻るといえば足首だよね。
その足首をゆっくりと捻ってみる。
「っ、いた…」
少し角度がついた位置で顔をしかめる。
「ここ、ね。
今診た感じ、腫れもないですし痛みも弱いです。
軽度中の軽度じゃないですか?」
「明日の練習は?」
「それはまた明日判断した方が良いと思います。
このまま何もなければ問題ありません。
ただ走ったり、飛んだりなどの激しい動きをすると悪化しますね。
その場合、試合はおろか練習すら出来ません」
「え…やだ、無理っすー」