第43章 実力
キス…されてる。
頭の中ようやく理解出来た頃、その温もりは離れた。
「なっ…え…な…」
「日本語」
クスリと笑われる。
「誰だっていきなりされたら、そりゃ驚くよ。
照れるよ…」
「だろうね、顔真っ赤」
「そんな笑わなくても良くない?」
なんとなく悪意を感じる。
「さっきの仕返し」
イタズラっぽい笑顔で言われ、ときめく私は相当重症なんだろうな。
「…なんか悔しい」
蛍の腕を引っ張ってバランスを崩させると、キスをした。
「するんなら口にしたらどうなの?」
「ハードル高いから…」
それでも背伸びして頬にキスしたのに。
「案外ウブなんだね」
チュ、と今度は音を立ててキスされた。
「また蛍は…」
「あっ、居た!月島くん」
後ろから声がして、わずかに肩が跳ねる。
「仁花?」
「波瑠ちゃんも一緒だったんだ、ちょうど良かった。
烏野今からお風呂なんだって。
今回は人数も多いから学年とか関係なく一緒に入ってくださいって」