第40章 順応性
「烏野高校バレー部1年、柏木波瑠です」
「柏木ー、話硬い」
花巻先輩に頭をグリグリされた。
「え?あ、そうですか?」
髪を直しながら尋ねる。
「おー。
及川を見習えとは言わねーけど、適度に緩めろよ?」
「が、頑張ります」
緩めると言われてもなぁ…。
「るぅ、笑顔見せると良いと思うよー?」
「愛想笑いを振り向くのは疲れるんですよ。
よく及川先輩は疲れませんね」
「女の子は大切にしないとだからね」
「女の子はお姫様ってやつですか。
及川先輩はそういう子が好きなんですね。
そういう子、紹介しましょうか?」
「え…そういう子って?」
「ワガママな人ですよ」
「うーん、遠慮しとくよ」
スー、と居なくなる。
「おら、とっとと始めんぞ」
「「「うぃーっす」」」
「ちょ、キャプテン俺なのにー」
「じゃあ私記録録りますね」
ノートを受け取り、ベンチの横に立つ。