第40章 順応性
「お待たせしまし…」
「るぅ♪」
後ろからフワリと抱きしめられる。
「そういうことをする関係は、終わってると思うんですけど」
さり気なく、その逞しい腕が腹部に絡みついている。
「んー?
俺がしたいだけだよ」
及川先輩は、実は私の元彼だったりする。
「おっ、及川さ、あの…」
「あはは、金田一顔赤くなってる。
こういうの見るのは初めてかなぁ?」
「はいっ、いいえっ」
「どっち?」
ごもっともな疑問だ。
「…イズミ先輩。
すみません、少し助けてください」
「おう、良いぞ」
「ちょ、ちょっと待ってよ岩ちゃん!」
「嫌ならさっさと離してやれ」
「うぃっす」
相変わらず強い…。
「それと、6番さんと7番さんの…名前教えて貰っても良いですか?」
名前を知らない。
「渡親治、リベロです」
「矢巾秀、青城2年セッターです!」
なんか凄い笑顔だな…普通に笑えば良いのに。