第39章 救世主
「そっちのサポートもしろってことですよね?
要するに」
「そういうことだ、出来るか?」
「平気です、ただ…」
「仁花ちゃんのことなら任せて、私が頑張る」
「分かりました。
じゃあその2校のサポートを行いますね」
「あぁ、すまんな」
この体育館にあるコートは2つ。
同時に試合出来るのは4チーム、残る2チームは見学か。
私の担当するチームが同時に試合することにならないよう、組み合わせを工夫してくれてある。
1度だけ対戦することにはなるが、それ以外では片方が試合、片方が見学という形になっている。
働きっぱなしになるよね、これ。
「頑張りますか」
髪を結ぶと小さく呟いた。
まずは音駒のサポートを。
「悪ぃな、自分のチーム応援させてやれなくて」
ポン、と頭の上に大きくて骨張った手が乗る。
「いえ、より近くから分析出来る機会として前向きに捉えてますよ」
と、にっこり。
「相変わらずだな」