第39章 救世主
「よく分かんねーけど、それ普通じゃねーの?
1年だろうと強けりゃ選ばれるだろ」
「木兎は気楽で良いよな。
うちは1つ上の世代までそうだったからな。
気持ちが分からなくもない」
「きっ、気楽じゃねーよ!」
「木兎さんは木兎さんなりに考えてるんですよ。
それにまぁ、分かる気がするよ。
俺も2年なのに3年の先輩差し置いて副主将やってるから、最初は引け目を感じてたかな。
けど皆良い人だから今ではそんなことないけどね」
やっぱり京治くんも色々考えてた頃はあるんだな。
「あ、そろそろ試合始まる。
仁花、仕事に戻ろう?」
「そうだねっ」
皆に軽く一礼してから、その場を去る。
「柏木、ちょっと良いか?」
「なんですか?烏養さん」
「今回合宿に参加してる学校の中でマネージャーが居ないチームがあるのは知ってるよな?」
「?はい。
音駒と青城ですよね」
「あー、そこでなんだが。
マネが居ないと色々大変だっつーことで…。
なんだ、その…」
言いにくそうに頭を掻く。