第39章 救世主
「試合記録を録りたいんですけど、そういうのをまとめてあるノートってありますか?」
「あー、ねぇかもな」
「じゃあ今それらを書けるものってあります?
自己流ですので良ければ教えますよ」
「これ、良かったら使ってください。
僕が個人的につけてる記録です」
「あ、ありがとう」
そっか、芝山くんは試合にはまだ出ないんだよね。
うん、書き方も丁寧だし。
良いマネージャーになれそう。
ドリンクやタオルの準備もしてたしね。
「リエーフくん、力んでる。
もっと肩の力抜いて」
「おー!」
「山本さんも動きが固いです。
今は目の前のボールにだけ集中してください」
「あっ、お、お、おぅ…」
思いっきり目を逸らされた。
女子が苦手なのかな。
「黒尾さん、若干顔が黒いです。
余計なことは考えない方が身の為ですよ」
考えてどうにかなる相手ではない。
「もっとオブラートに包めよ」