第5章 勉強
「柏木ーっ」
放課後1番に教室のドアが開かれた。
「…煩いんだけど」
顔をしかめる月島くん。
「行こっ」
「ちょ…」
もうなんとなく慣れたけど。
強引に連れて来られたのは男子バレー部の部室。
そこにはすでに2年生の姿があった。
「こんにちは」
「あ、ちっす」
「あぁ、こんにちは。
日向、柏木」
「おう」
「ちす」
いつになく頼もしそうな縁下先輩。
と、潮らしい田中先輩と西谷先輩。
「日向と柏木も勉強か?」
「はいっ。
柏木に教えて貰うんです」
「はは、頑張れよ」
縁下先輩も苦笑い。
優しい先輩にこんな表情させるなんて、一体どれだけ酷いんだ。
「ちわっす」
「遅せーぞ、影山」
「私先に着替えて来るから準備してて」
「分かった」
一旦部室から出ると月島くん達が居た。
「ちょっと着替えて来る。
少しの間だけ2人見てて」
「えー…」
「ツッキーファイト!」
「はぁ…」
深い溜め息が背後から聞こえた。