第36章 教育
「そんなんじゃない」
「月島くんもレギュラーなんだよね?」
「まぁ」
なんか居心地悪そう。
女の子苦手なのかな。
「気まずく…ないの?
先輩を差し置いて試合出るのって」
「…別に」
少し考えてから答える。
「それならあの王様が1番気まずいでしょ。
3年生の菅原さんを差し置いて正セッターやってるんだから」
「あいつはそんなこと気にするような奴じゃないよ」
それが実力です、とでも言いそうだ。
「そっか、同じポジションだと1人しか出れないもんね」
「そうでもないよ。
ツーセッターっていうのもあるから」
「色々深いんだなぁ」
「妬みとかそういうの、女子の方があるんじゃないの?
男子は案外割り切ってるし」
「うん、まぁ。
あったね、そういうの」
「え⁉︎あったの?」
「私1年の時からスタメンだったから」
「お前、3年の先輩差し置いてエース張ってたからな」
「飛雄、余計なこと言わなくて良い」
それは言う必要のない情報だ。