第36章 教育
「トサカはバレー用語じゃないよ。
セッターはうちで言う菅原先輩や飛雄のポジション。
スパイクの為のトスを上げて、攻撃を組み立てる司令塔。
リベロは西谷先輩のポジション。
サーブ、スパイクは禁止されてる守備専門の選手。
後衛に居る選手と入れ替わって常に守備を固めるの。
日向と蛍がリベロの交代選手ね」
「えーっと…ちょっと待って」
と、いそいそとメモを取る。
「うん、オッケー」
「あと残るポジションは2つ。
良い機会だから教えておくね。
ウィングスパイカー。
攻撃の中核を担う攻守のバランスの取れたオールラウンダー。
ミドルブロッカー。
囮として敵のブロックを引きつけたりもする」
「日向のポジションだよね?
えっと、最強の囮?」
「そう」
「柏木さんはバレー経験者だったりするのかな?」
「あ、まぁ。
一応その部類に入るかな」
「一応って、どんな謙遜の仕方なのさ」
ふっ、とおかしそうに蛍が口を歪めた。