第36章 教育
「波瑠ちゃん、ちょっと良い?」
「はい」
片づけが終わったあと、清水先輩に声をかけられた。
「合宿のことでコーチから連絡。
長期の合宿で色々大変だろうけど、他の学校のマネージャーも手伝ってあげてって。
仁花ちゃんは初めての合宿で、バレーも初心者だから分からないことも多いと思うから、フォローしてあげてね」
歳が近い方が話しやすいからかな。
「分かりました」
人に教えたりするのは苦手なんだけど。
「波瑠さん」
「どうかした?」
蛍から話しかけて来るなんて珍しいな。
「今日このあと暇でしょ?」
「まぁ、空いてはいるけど」
「じゃあ帰りに」
一緒に帰ろうってことで良いのかな。
「あの、柏木さん。
ちょっと良いすか?」
なんか片言。
「良いよ」
「専門用語が分からないんだけど…」
「例えば?」
「セッター、トサカ、リベロ。
さっき日向達が言ってたんだけど」