第4章 仕事
「月島くんさ、脚テーピングか何かしてる?」
「は?」
「なんか歩き辛そうだったから」
「気持ち悪いぐらい見てるね」
「癖だから」
相手を観察するのが。
「してる、左脚に」
「多分ズレたんだと思う、痛いでしょ?
巻き直そうか?」
「どこで?」
「私の家で、すぐ近くだし」
「巻けるの?」
「当然」
「ふーん」
「どうせ親居ないから畏まらなくて良いから」
「襲えって言ってんの?」
「冗談に聞こえない。
とにかく入って、ここだから」
「…お邪魔します」
ドアを開けると、挨拶をしてから家に上がった。
なんだかんだ言いつつしっかりした人だ。
「自由に座ってて。
物取って来るから」
きっちり整頓され、掃除の行き届いた部屋。
面倒くさがりだから掃除なんかしてないのかと思ってた。
「何か失礼なこと考えてない?」
「否定しない」