第4章 仕事
「裾だけ捲って」
「本当キャラ変わるね」
コート上では威圧感を放ちキビキビしているのに、そのコートを降りた途端に大人しくにる。
「まぁ」
テーピングを施しながら尋ねる。
「月島くんは静かだね。
そっちの方がやりやすくはあるけど」
「確かに煩いのと居ると面倒だよね」
からかい甲斐はあるけど、と続ける。
「あんたはそういうのに弱いんだよね。
日向とか西谷さんとか強引な人に」
「否定はしない。
慣れてないから大変。
月島くんはレシーブが苦手でしょ」
「得意じゃない。
ポジションはどこだったの?」
「ウィングスパイカー。
それより、あんたっていうの止めない?」
「なんで?」
「…なんとなく」
「気が向いたらね。
テーピングどうも」
「別に。
一応仕事に含まれてるから」