第35章 顔合わせ

「複雑ですね」


「恋ってそういうもんだべ」


「…」


何か考え込む月島。


ひょっとして…。


「好きな人でも居るの？」


立ち入ったことかも知らないけど、月島のそういう事情には正直興味がある。


「べ、つに居ませんよ」


「図星って顔してるけどなぁ」


俺に指摘され、頬に赤みが増す。


これは、さっきの質問で自覚したパターンかな。


可愛いわ。


「ま。

またなんかあったら俺に言いなさいっての。

先輩が相談に乗ってあげるから。

それと柏木とちゃんと話すんだぞ。

月島のこと気にかけてたから」


人に頼ろうとはせず自分で解決しようとする柏木が、俺のところに自分から頼みに来たのだ。


「はい」