第35章 顔合わせ

一方、月島達は…。


「あの…？」


「あぁ、ごめんごめん」


体育館から少し離れた人気のない廊下に来ていた。


「月島なんかあった？」


「別に何もないですよ」


「嘘はつくもんじゃないべ。

だってそれ、なんでもない奴がする顔じゃないだろ」


「…じゃあ聞きますけど」


「おう」


「 “ 好き ” ってなんですか？」


「え？」


好き…？


月島の口から聞こえた予想外の言葉に、思わず素っ頓狂な声を上げる。


月島がこういうことを人に尋ねて来るって珍しいな。


なんでも1人で解決しようとするのに。


「人によって感じ方はそれぞれだけど。

無意識にその人のことを考えるとか、よく言うよな。



気づくと目で追ってる。

名前で呼ばれると嬉しい。

近くに居るとドキドキするけど心地良い。

違う男と居るのを見るとイライラする。


とかじゃないか？

あとはまぁ、触れたいとか触れられたいとか」


思いつくことを次々述べる。