第35章 顔合わせ
「るぅ、あのノッポくんのこと好きだよね…?」
耳元でそう囁かれ、思わず後ろに飛び退く。
「うん、やっぱり」
満足そうな顔。
「俺が協力してあげようか?」
「大丈夫です」
「冷たいなぁ」
「及川ァ!」
「ひっ、何岩ちゃん。
そんなに怒鳴らないでよ、女の子にモテないよ?」
「余計なお世話だ!」
ガンッ、と頭を殴った。
「いったぁ…頭取れちゃったらどうすんのさ!」
「知るか。
もっと出来の良い頭と取り替えて貰え」
「岩ちゃん、どいひー」
「…どうやらもう1発殴られたいみたいだな」
「じょ、冗談だって!」
「あー、このバカが迷惑かけてすまなかったな」
私達に対して言う。
…バカを強調して。
「いや、絡んだこっちも悪い」
と、田中先輩に厳しい目を向けた。
「波瑠…あの時の約束覚えてるよね?」
急に声のトーンが低くなった及川先輩。