第35章 顔合わせ
「月島は素直じゃないなー。
それを仲良いって言うんだべ」
バンバン、と蛍の背中を叩く。
「うぉぉぉ」
「おぉお」
相変わらず突っ走ろうとする2人。
「ちょっと止めて来ま…」
「あーっっ‼︎」
ペースを速めようとすると、日向の声がやけに大きく聞こえた。
「だ、大王様!
と青城のエースの人!
それとらっきょヘッド‼︎」
らっきょヘッド?
新しい単語だ。
一体誰のことだろう。
日向達の元まで急ぐと、そこには青葉城西高校バレー部が全員でロードワーク中だった。
多分反対側から走って来て鉢合わせになったんだろう。
「げ…」
今は会いたくなかった。
「どうかしたのか?」
遅れて皆も追いつく。
「あっ!及川!」
「ダメだよ、坊主くん。
先輩を呼び捨てにしちゃ」
「変なあだ名つけないで貰えますか?コラ」
「そんな邪険にしないでよ。
ところでさ…」
と、私の方に近づいて来る。