第35章 顔合わせ
「皆ちょっと良いかな?」
「お、どうした?清水」
「新しいマネージャー候補として仮入部の谷地仁花ちゃん」
「よ、よろしくお願いしますっ」
「「「お願いしゃーす」」」
「ひっ…」
この雰囲気に慣れてないのか、それとも元からなのか。
「何か分からないことがあったら、私か波瑠ちゃんに聞いてね」
「シャチッ」
「シャチ?」
「しゃすってことだと思いますよ」
「あぁ、そう」
コーチや監督も含め、一通り自己紹介を済ませる。
「そんじゃ、いっちょロードワーク行って来い」
「「「あっす」」」
「行って来ます」
「無理はしないでね」
「大丈夫です」
荷物を持って外へ出る。
私は安定の最後尾だ。
「相変わらず仲良いなー、お前ら」
「そんなことないですよ、菅原先輩」
蛍にはそんな気、更々ないのだから。
「まぁ、他と比べると話しやすいとは思いますけど。
別に仲良い訳じゃないです」
改めて否定されると何気に傷つく。