第31章 再会
「え?いや、あの、その…」
「レシーブ100本‼︎」
「ひぃっ…」
「リエーフくん、レシーブ嫌いなの?」
「嫌い。
レシーブじゃ点取れないし」
「繋いでる限りは負けないよ。
ラリーが続けば必ずどちらかに焦りが生じる。
極端な話、強いスパイクや高いブロックがなくてもレシーブさえ出来れば負けない」
「う…波瑠さんはレシーブ好きなんですか?」
「1番好きかな」
「えぇー。
スパイカーならスパイクが好きじゃないの?」
「うーん、あんまり」
「えぇー?」
「スパイク決めた時の気持ち良さがあるように、レシーブにはレシーブの気持ち良さがあるの」
「だって…」
「だってじゃねぇ。
リエーフ、レシーブ練!」
「げっ、夜久さん」
「げってなんだ、げって」
「だって夜久さんのサーブ低くて取りにくいんですもん」
その瞬間、全体の空気が凍った。
「ほぉ…」
「あ、ヤバイ?」
「今頃気づいても遅ェよ、バカ」
呆れた様子の山本さん。