第31章 再会
「リエーフ…そこに直れ!」
「えぇー…」
「おい、波瑠。
お前お得意の挑発でリエーフやる気にさせてくんない?」
「得意じゃないです」
「またまたぁ」
「でも。
挑発じゃなくても良いのなら、その気にぐらいさせますけど」
「お、頼む」
なんだかんだで流されるんだよな、私は。
「リエーフくん」
正座させられているリエーフくんに声をかける。
「確か前に宮城のローカルテレビであるバレー選手が特集されてたの。
エースにして、リベロ以上のレシーブ力の持ち主だって。
凄く活躍してたな。
レシーブも、サーブも、ブロックも、もちろんスパイクも。
全部を華麗にこなすスーパーエースだって。
試合で1番目立つ、すなわち選手が1番輝く時は凄いスパイクを決めた時より、それをしっかりレシーブ出来た時だったりする。
安定したレシーブをして、トスを呼んで、スパイクも決めたらきっと凄い快感なんだろうな」
「マジですかぁ⁉︎」
「うわ、単純だな」