第29章 撃沈
「相性の悪い者同士を組み合わせた方が、自分の欠点が分かると思ったので」
それが1番手っ取り早い方法だ。
口で言うより身体で感じた方が分かりやすいだろうし。
「それもそうだね」
「波瑠ちゃん」
「ドリンクとタオルの準備ですよね?」
「そ。
大変だろうけど2人で協力してね。
私は得点係をやるから」
「分かりました」
清水先輩は得点板の用意に走る。
他メンバーは作戦を立てているようだ。
「準備するから急いで」
「わたくしに命令しないでくださらない?
不愉快ですわ」
やっぱり働きには期待出来そうにないな。
一応着いては来るけど、ずっと髪の毛を弄っている。
全部私が用意するしかないか。
「素人のあなたがマネージャーだなんて、図々しいにも程があるわよ」
急いで全員分用意しなきゃいけないっていうのに。
ムダな時間を使わせないで欲しい。