第29章 撃沈
「すみません、遅れました」
一言告げてから体育館に脚を踏み入れる。
今はスパイク練習をしているところだった。
「集合ー!」
澤村先輩の合図に練習が一時中断される。
「清水、紹介」
「えっと、新しいマネージャー候補として仮入部の…」
「白鳥明日香ですわ」
と、蛍の方を見つめて話す。
「「「お願いしゃす」」」
「そんじゃ、練習再開だな」
「あー、全員アップは済んでるよな?
今日は生憎と天気が悪いから、ロードワークは抜きで練習に入ってる。
今回はひたすら6対6の練習試合だな。
組分けは…」
そこで一旦区切ると、私に目を向けた。
「私が決めるんですか?」
「そういうことだ」
正気か、この人は。
清水先輩がビブスを取りに行く。
「そうですね…。
菅原先輩、田中先輩、澤村先輩、蛍、日向、木下先輩の青チーム。
飛雄、東峰先輩、西谷先輩、山口くん、緑下先輩、成田先輩の赤チーム。
でどうですか?」
「また見事にバラけさせたな」