第27章 狼
「嫌だけど」
「そんな…」
「良いじゃんか、月島」
「絶対ェ嫌だ。
こいつに取って貰うなんてごめんだ」
飛雄も頑固だな。
「外でやる方が悪い。
朝練始まるから行こ」
「それもそうだね」
「えーっ」
「… はぁ。
何か球状のものある?」
「あ?
ねーよ、んなもん」
「じゃあ諦めて」
「あァ?」
「とりあえず棒じゃ届かなそうだし、体育館に行ってバレーボール1つ取って来て」
「なんで俺が」
「ボール取ってあげるから。
早くして、時間がない」
「なんか分かんねーけど、とりあえず行って来るな?」
「日向は素直で良いよね」
「うるせー」
「ボール持って来たぞー」
流石は日向、速いな。
「んなことよりどうやって取るつもりだ?
日向のコントロールじゃ到底無理だぞ」
「なっ、うるせー。
やってみなきゃ分かんねぇだろ⁉︎」
「分かる。
どうせこれも木に引っ掛けて終わりだな。
大体木に引っ掛けたのだってお前が…」