第26章 遭遇
「波瑠さんさ、肩凝ってたりする?」
「え?…うん。
肩どころか足腰も」
あの2人と同じ練習量をこなしてたら、そうなるのは当たり前だ。
むしろならない方がどうかしてる。
「でもなんで分かったの?」
気づかれない自信あったんだけど。
目ざとく見つけるなぁ。
「なんでって…。
無意識な内に手が行ってたから」
そんな初歩的なミスを。
「とりあえずそこに横になりなよ。
解してあげるから」
「…え?
何か企んでる?」
「別に。
前にテーピングして貰ったから…」
言いづらそうに首を触った。
「照れてる?」
「違う。
それでどうする訳?」
「頼んでも良い?」
蛍にならワガママでもなんでも言えるような気がする。
なんでだろうな。
「じゃあうつ伏せ」
「分かった」
言われた通りにベッドにうつ伏せになる。
「肩からやるから力抜いて」
「うん」
蛍のやりやすいように身体の力を抜く。