第26章 遭遇
「くくっ。
初めて僕の言葉に反応した」
なんか楽しそうだな。
「良いから入って来なよ。
濡れてるから寒いし、気持ち悪いでしょ」
確かにそうだけど。
「先に蛍入って来なよ。
大事な選手が体調壊したら大変だから」
蛍の代わりなんて誰も居ないんだし。
「…分かった。
じゃあ身体冷やさないようにね」
それだけ言うとタオルを持って部屋から出て行った。
待ってる間何しよ。
黒尾さんへの連絡かな。
土曜の午後辺りに行くという主旨のメールを送る。
するとすぐに返信があった。
その日は1日中部活で体育館に居る、と。
とりあえず私の用事は午前中に終わる筈だ。
学校近くなったら1度連絡入れるようにしよ。