第25章 憂鬱
「すまん柏木。
日向と影山見といてくれるか?」
「片づけなら私がやっておくから」
「同年代であいつらの手綱握れるのは柏木ぐらいだからな」
手綱って…私は飼い主か保護者ですか。
「分かりました」
「すまん、助かる」
澤村先輩も色々苦労してるんだし、仕方ないか。
「ボールが誰かに当たると困るから、別の場所でやらない?」
「別の場所?」
「お前なんか当てがあんのか?」
「まぁ」
あそこなら自由に使えるし、邪魔も入らないからね。
「バレー出来んの⁉︎
じゃあ早く行こーぜー」
待ち切れないみたい。
なんか凄くウズウズしてる。
「分かった。
案内するから着いて来て」
歩き慣れた道を3人で並んで歩く。
「この道…あぁ、あそこか」
飛雄、やっと思い出したのか。
「あそこ?」
「私の家の体育館。
室内でバレーコートあるし、ネットもボールも必要なものは基本揃ってる」
鍵を開けながら説明する。