第25章 憂鬱
「君のハイスペックはバレーに関してだけだよね」
「知ってる」
事実そうだから、何も言い返せない。
「あれ、清水先輩…?」
廊下側が騒がしく、何事かと目を向けるとそこには清水先輩がドアのところで眉根を寄せて立っていた。
その周りを数人の生徒が取り囲んでいた。
「波瑠さん、行って来たら?」
「そうする」
席を立って清水先輩の元へと向かう。
すると清水先輩も私に気づいたらしく、口元を緩ませてくれた。
「あ、波瑠ちゃん。
月島と山口も呼んで貰っても良い?
伝えたいことがあって」
「分かりました」
今日の部活のことかな。
「蛍、山口くん。
清水先輩が呼んでる」
一緒に居る2人に声をかけた。
「呼び出してごめんね。
今日の部活のことなんだけど、点検が思った以上にかかるみたい。
だから今日は昼練なし。
午後もロードワークだけ」
「「「はい」」」
「それだけだから」
本当にそれだけ告げると、颯爽と来た道を戻って行く。