第23章 壊れた心
「任せてください。
僕に出来ることは皆を影から支えてあげることぐらいですから」
こういう時の先生、なんか頼もしいな。
「波瑠!練習やろ」
「先山口くんのサーブ練習からでも良い?」
「おうっ」
「いっ、いきます」
緊張しいなのかな。
身体が強張っているように見える。
「ふーっ…」
ボールを抱えたまま深呼吸し、サーブを打つ。
ボールに緩い回転がかかってる。
つまり軌道の変化が弱い。
これならアンダーでも受け取れるかな。
ポンッと拾い、セッターの位置へと正確に返す。
返しにくいサーブではあるが、決して拾えない訳ではない。
「拾われた…」
凄いショックを受けてる。
返される度にこんなんじゃ、やっていけないと思うけど。
「肩に力が入ってる。
フローター打つには少しの強張り、震えが命取りになりかねないと思うよ。
まぁ、私が言えたことじゃないけど」