第23章 壊れた心
「烏養くん、その話は分かりました。
ですが…」
「あいつを呼ぼうとか、あいつから教わろうとか。
そんな考えは甘いですよ」
あいつはそんな出来た人間じゃない。
むしろ歪んだ人間だ。
「色々参考になると思ったんだけどな」
「あいつは人の心を壊すことに快感を覚え、それを生き甲斐とするような人間ですから」
知らないかもしれないけど。
あいつに壊された心はそう簡単には治らない。
「セッターとしての才能は影山以上だったがな」
「その話はもう良いじゃないですか」
「どうしても無理か?」
「無理です」
「今週は1人1人の能力向上をメインにしたいんだがな。
俺も教えられる程巧かねぇし」
「巧い人のプレーを見るのも良いと思いますけど」
ここには青葉城西も白鳥沢も居る。
練習相手、見学相手には困らない筈。
「それについては僕がなんとかしましょう」
「先生、くれぐれも土下座だけは」
「分かってます。
土下座は最終兵器ですから」
「いや、だから…」