第22章 必殺技
「もう1回‼︎」
「ダメ、もう休憩終わりだから」
「…じゃあ練習終わってから」
「嫌」
面倒くさい。
これで借りもなしだから、私がやる必要はないのだ。
「じゃあ10本!」
「増えてどうするのさ、バカなの?」
月島が口を挟む。
「あ?」
また険悪なムードになり始めると。
「お前ら…」
澤村先輩が早めの牽制を入れた。
「「…」」
声が低くなった瞬間、2人の身体がピクリと反応した。
相当懲りてるんだな。
よく怒られてるし。
「日向はとりあえず対応力をつけることかな。
それととにかくレシーブ」
基礎が出来てなきゃ意味がない。
「うっ…だってレシーブ面白くないし…」
「私はレシーブの方が好きかな。
ボールが綺麗にセッター位置に返った時って、スパイク決まった時と同じように気持ちが良いよ」
「お前スパイカーなんだからスパイクに快感覚えろよ」
「私ジャンプ得意じゃないから」