第21章 体育
「善処する」
見た感じ能力高そうじゃないし。
それはこっちのセリフのような気がするけど。
「それではいきますわよ」
ボールを上げる高さ、その位置、パスを繰り出す手の角度、タイミング。
全て素人に毛が生えたレベルだ。
話にならない。
軸のブレたボールをなんなく相手の手元に返す。
「ちょっとぉ、ちゃんとわたくしに返してくださらない?」
耳障りな甲高い声を上げる。
自分が返すのをミスしたからって、私のせいにしないでよ。
ムダに高いプライド。
実力に伴っていない。
そういうのが1番イラつくんだよな。
こっちは打ちやすいようにちゃんと相手の手元に返してるのに、ミスしてるのはそっちでしょ。
なんて心の中で悪態をつく。
「おーい、そこまで!
一旦集合な」
やっとか。
「大変そうだね、あの人の相手」
「うん」
「あの人って?
あぁ、白鳥さんのこと?」
「「誰それ」」