第21章 体育
「時間だけど」
しばらくすると耳元に低い声が聞こえ、身体を揺すられた。
「ん…」
重い瞼をなんとかこじ開け、視線だけを月島に向ける。
「よくこんなところで寝れるよね」
「自分でも不思議」
ただ眠かったから、じゃあここまで寝ることは出来ないのに。
「1限目体育だけど移動しない訳?」
「体育か…」
バレー以外苦手だしな。
「今日はバレーらしいよ。
なんで授業でまでバレーしなきゃいけないのさ」
「同感」
途中まで並んで歩き、更衣室前で別れる。
体育のバレーとか憂鬱だな。
もっと同レベルの人居ないし。
手早く着替えを済ませ、体育館へと重い腰を動かす。
適当な理由つけて見学しようかな。
「逃げる気?」
月島が後ろに居たのに気がつかず、肩が震えた。
「暇じゃん」
「分かるけどさ」