第20章 好物
「でも勇気あるなぁ…。
異性の中に1人なんて、俺だったら無理だなぁ」
「まぁ、確かにそうですね。
でも慣れたら楽しいですよ?
自分よりも体格も、パワーも、スピードも、ジャンプ力もある人と相対せるのは。
お陰でもっと孤立しちゃいましたけど」
「孤立は確かに辛いよなぁ」
「それも慣れましたよ。
女子の気持ちがよく分からないですけどね」
「まぁ、複雑だからな」
人とつるむの正直面倒くさいし。
「お前いつも1人だもんな」
「1人が楽だから」
変な気を使わなくて済むし。
「そういえば波瑠って観察凄いんだよな。
どんなこと観察してんのー?」
「ひ、日向…」
やっぱり急に距離縮められるの苦手だな。
「…人並みだと思うけど」
「普通の人はあんなに腹黒いことしないでしょ」
「それも普通だよ」
別に意地の悪い攻撃をしている訳じゃない。
ただ単に脆いところを叩いてるだけだ。