第15章 看病
反発し合うからこそ惹かれ合う。
なんか感無量だな。
「そろそろ消灯時間なので電気消しますね」
「彼女ちゃん」
「黒尾さん、どうしたんです?」
電気を消そうとすると、ひょっこり現れた。
「悪い、ちょっと借りて良いか?
すぐ返すから」
私は物じゃないんだけど、と言いたいのを飲み込む。
口調はいつも通りだけど目に焦りの色が浮かんでいたから。
「すみません、すぐ戻ります。
あ、電気は消して行きますね」
電気を消してから、黒尾さんのあとに続く。
「あいつら理解力ないから色々苦労してんだよ、俺も」
最初はなんのことを言っているのか分からなかったが、ドアを開けた先に居る研磨くんらしき人影を見て納得した。
「布団類かけ過ぎ。
これじゃ熱上がる一方ですよ」
華奢な身体にのしかかる大量の布をテキパキと片していく。
「タオルも冷やし過ぎです。
逆に風邪ひきますから」
暑さと寒さが同時に襲って来たんだろうな。
かなり険しい顔をしている。