第14章 思いやり
「いや、リエーフが無理矢理だな…」
「リエーフくん1年ですよね?」
「そうなんだけどさ。
ま、説明すんのも面倒だしいっか」
自己完結型か。
「おーい、連れて来たぞ」
「波瑠さん!」
布団に仰向けになり、腕を目の上に置いている研磨くん。
その周りに心配そうに顔を覗き込む人と、風を送る人達。
「ちょっとすみません」
間に割って入り、顔と手に触れる。
状況が状況なだけにからかったりなどはして来ない。
「やっぱのぼせか?」
「恐らく。
額や首筋は暑いけど手先は冷たいです。
それに心拍数も速いですから」
「研磨ーっ…」
「山本うるせぇ」
「静かにしてください。
余計に酷くなってしまっても知りませんよ」
「うっ…」
「なんか要るもんあるか?
ありゃ取って来るが」
「スポーツドリンクとタオル2枚。
水の入った桶、それとストローも忘れずにお願いします」
「おし」