第5章 (最終章)ごめん、愛してる
ゆっくりと帯を解き、着物を肩から下ろす。
「へ、平助さんも...」
「あぁ」
身体に纏ったものを全て剥ぎ取り、2人とも、生まれたままの格好になった。
優しくお春の身体を支えながら、布団の上に押し倒した。
「胸、触るぞ...」
「はぃ...」
怖いのか?少し声、震えてる。
「ごめん、怖いか?」
「大丈夫です」
お春は、微笑みながら、俺の手を取って、自分の胸の上にのせた。
そして、そのままその手を、俺の頬に滑らせ、摘んだ。
「なにすんだよ」
「怖い顔なってます」
「っ...ごめんっ!」
緊張しすぎて、顔の筋肉が強ばってた。
お春は少し笑いながら、「大丈夫です」と答えた。
ゆっくりと口付けて、舌で軽く唇を舐めると、少し口が開いた。
俺は確認する様に、ゆっくりとそこに舌を入れていく。
前した様な、こいつの全てを食い尽くす様な荒々しいものではなく、こいつの全てを包み込む様な優しい口付けを交わしていく。
お春の身体がおぼえている、荒々しくて、最低な行為を...優しくて、温かいものに塗り替えていくように.........。
「んっ......あっ...」
口付けの合間に、漏れ聞こえる、お春の甘い声。
前とは、全然違う反応を見て、優しく出来てんだなって、わかる。
そっと口を離すと、2人の間に、キラリと光る銀糸が伸びていた。