第5章 (最終章)ごめん、愛してる
「お春ちゃん、少しくらい休めって」
新ぱっつぁんの、声......?
お春...?......そこにいるのか?
「んっ」
重い瞼をゆっくり上げた。
「平助さん?」
泣き腫らした顔で綺麗に笑う、俺の愛しい人。
俺の顔を覗き込むお春の頬に、そっと手を添えて、見つめ合う。
「...って俺、お前に触れてもいいのか?」
ふっと思い浮かんだ疑問。
「ふふっ。いいんですよ。」
優しく微笑んだお春には、いつも救われてばっかりだ。
「お春」
「はい」
「好きだ」
目に沢山の涙を溜めたお春。
「私もです。」
「ふっ、泣くなよ、笑え。俺はお前の笑顔が大好きなんだ。」
そう言うと、笑ってくれるお春が...とてつもなく愛おしい。
ゆっくりと、顔を近づけて、優しく口付ける。
新ぱっつぁん、いつの間にかいなくなってくれたみたいだ。
桜色のお春の顔を見つめて、でこ、瞼、頬、鼻と順番に口付けを落としていった。
「お春...ごめん、何回言っても足りない」
「平助さん...今度は私を見て、優しくしてください......」
目を細めて、優しく微笑んでみせた。
「ちゃんとお春を見てるよ。この先もずっとずっと...。......頑張って優しくする。」