第4章 書類配りII
【六番隊舎】
「(クソ…苛々する。)」
あの男のせいで
更に気が短くなった気がする
「失礼します」
「てめえは…!!」
「(最悪のタイミングだ。)」
そうか
そういえば彼だったな
この隊の副官は
「何しに来やがった!!」
流歌に詰め寄り、怒った顔を浮かべる。
「そんな大声で怒鳴らないでくださいよ。朽木隊長に書類を届けに来ただけです」
「何ふざけたこと言ってんだ。てめぇみたいなカスに隊長が会うわけねぇだろうが。つーかその前に桃香に謝罪するのが先だろ」
「謝罪…」
「忘れたとは言わせねえぞ」
「もちろん覚えてますよ。ですが何に対して謝罪をするんです?」
「お前があいつにしたことをだよ」
「身に覚えがありません」
「…ざけんな」
「僕が彼女を強姦して刺したという証拠はどこにもありません。ですから謝っても意味ないんですよ」
「シラ切ってんじゃねぇ」
「あんな女に頭を下げるなんて冗談じゃない。僕は彼女の操り人形にはなりません」
ガッ
「…痛ぇだろ?けどな…それ以上の痛みを桃香は味わったんだ」
殴られて眼鏡が吹き飛ぶ。
「これで謝る気になったろ…?」
「…暴力で支配するのは解せませんね。これで僕が怖気付くと思ったら大間違いです」
「てめぇはどこまで腐ってんだ!!」
恋次の怒りは収まらない。
「僕は言い争いをしに来た訳じゃありません。朽木隊長に用事があるんです。早く呼んでもらえませんか」
「だから隊長がてめえに会う訳ねぇだ…」
「…何をしている…恋次。」
「!」
そう声が聞こえた瞬間、吹雪が吹き荒れるような冷たさが隊舎内に張りつめた。
その声の持ち主を見た隊士達の表情がサッと青ざめる。余程恐ろしいのか、霊圧がグラついていた。
「朽木隊長…」
「其奴から離れよ」
「隊長はこいつを庇うんスか…」
「二度は言わぬ」
「こいつは桃香を殺そうとしたんスよ!!何でそんな奴の肩を持つんスか!!」
ザワッ
白哉の霊圧が一気に上がった。
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